放課後の救い主(#07)
- 2013.09.10 Tuesday
- 13:40
「放課後の救い主」の続きを書き上げました。今後の展開も暖かく見守っていてください。
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JUGEMテーマ:自作小説
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放課後の救い主
作:天宮はるか
#7
僕らは近くのショッピングモールにやって来た。普段の買い物に使えるスーパーも入っているし、専門店街にはたくさんのお店が入っていた。いつもならお姉ちゃんは友だちと行くことが多いのだが、女子高校生姿のお姉ちゃんは普段とは違った店を見て回っていた。高校生と大人では入りやすい店が確かに違ってくるのかも知れない、そんな風に思いながら僕は麻美とのショッピングに付き合っていた。
「きゃっ、この服、超可愛くない!」
何軒か見ている内に麻美はそんなことを言っていた。確かに今の麻美が着るならとっても似合いそうな服の組み合わせだ。水色系の柄が爽やかなワンピースのスカートは裾が幾つかに分かれていて、歩いていると時より太ももが見える感じだ。ノンスリーブになっているため、この上からは透き通る白い生地を羽織るようにして被せるため、全体的に涼しそうな印象を見せている。試着した姿を見ると僕の心臓がドキドキしてしまった。
「どうかしら?」
試着した姿を恥ずかしげも無く僕の前で見せる麻美の姿、そんなことを聞かれるとなんと答えればよいのか分からなかった。
「似合ってると思うよ」
細かい表現が思い浮かばなかった僕が言ったのはこれでも思いつく最良の言葉だった。
「じゃあ、買っちゃおうかな?」
「えっ?マジで?」
高校生の麻美ならばそう簡単に買えるような値段では無かった。僕は値段を確認しようと値札を見てみた。そこにはセール品で50%オフと大きく書かれていた。値札についた値段から50%オフとなったとしても高校生の僕からすると一桁違う値段ということに驚いた。麻美はバッグの中から財布を取り出したが、取り出した財布は葵先生の財布ということで麻美が持つには不釣り合いな感じがした。
「このままじゃ、カードで決済するのは無理よね」
試着室のカーテンの向こうからは麻美の独り言が聞こえて来た。しばらくしてカーテンが開くと、着替えを終えて制服姿に戻った麻美の姿があった。気に入った洋服を大事そうに手に持ったままいた。試着した洋服を店員さんに預けるとなにやら交渉を始めていた。
「ATMでお金を下ろして支払いたいと思いますので、お取り置きしてくださいますか?」
「わかりました。本日中はお取り置きしておきますので、後ほどご来店願います」
麻美は店員さんからOKをもらうや、ショッピングモール内のATMに向かってお金を引き出していた。それは葵先生のお金なわけだが、カードで決済ができないことに気づいたのだろう。高校生がカードで決済するのはあまりにも不自然な上、名義も異なるからだ。ATMから引き出す分にはそれよりは問題が無いので、どうやら機転を利かせたのだ。
「ありがとうございます。またご来店をお待ちしています」
さっきの店員さんの挨拶で僕らは店から出てショッピングモールの中をまたブラブラし始めていた。麻美が持っている紙袋の中には洋服がきれいに折り畳まれていた。
「そんなの買っちゃって大丈夫なんですか?」
「いいのよ。せっかくなんだからこの体に似合う洋服の一つくらい揃えて置かないとね。これは葵先生からプレゼントとして私がしっかり受け取ったわ」
自分のポケットマネーを使ってまでしてこの洋服を買う必要があったのかはよく分からなかった。だが、この後も麻美の靴やアクセサリーなどを買ったのでいつの間にか紙袋がいっぱいになってしまったのだ。いっぱいの紙袋を手に抱えながらショッピングモールを後にしていた。
(つづく)
作:天宮はるか
#7
僕らは近くのショッピングモールにやって来た。普段の買い物に使えるスーパーも入っているし、専門店街にはたくさんのお店が入っていた。いつもならお姉ちゃんは友だちと行くことが多いのだが、女子高校生姿のお姉ちゃんは普段とは違った店を見て回っていた。高校生と大人では入りやすい店が確かに違ってくるのかも知れない、そんな風に思いながら僕は麻美とのショッピングに付き合っていた。
「きゃっ、この服、超可愛くない!」
何軒か見ている内に麻美はそんなことを言っていた。確かに今の麻美が着るならとっても似合いそうな服の組み合わせだ。水色系の柄が爽やかなワンピースのスカートは裾が幾つかに分かれていて、歩いていると時より太ももが見える感じだ。ノンスリーブになっているため、この上からは透き通る白い生地を羽織るようにして被せるため、全体的に涼しそうな印象を見せている。試着した姿を見ると僕の心臓がドキドキしてしまった。
「どうかしら?」
試着した姿を恥ずかしげも無く僕の前で見せる麻美の姿、そんなことを聞かれるとなんと答えればよいのか分からなかった。
「似合ってると思うよ」
細かい表現が思い浮かばなかった僕が言ったのはこれでも思いつく最良の言葉だった。
「じゃあ、買っちゃおうかな?」
「えっ?マジで?」
高校生の麻美ならばそう簡単に買えるような値段では無かった。僕は値段を確認しようと値札を見てみた。そこにはセール品で50%オフと大きく書かれていた。値札についた値段から50%オフとなったとしても高校生の僕からすると一桁違う値段ということに驚いた。麻美はバッグの中から財布を取り出したが、取り出した財布は葵先生の財布ということで麻美が持つには不釣り合いな感じがした。
「このままじゃ、カードで決済するのは無理よね」
試着室のカーテンの向こうからは麻美の独り言が聞こえて来た。しばらくしてカーテンが開くと、着替えを終えて制服姿に戻った麻美の姿があった。気に入った洋服を大事そうに手に持ったままいた。試着した洋服を店員さんに預けるとなにやら交渉を始めていた。
「ATMでお金を下ろして支払いたいと思いますので、お取り置きしてくださいますか?」
「わかりました。本日中はお取り置きしておきますので、後ほどご来店願います」
麻美は店員さんからOKをもらうや、ショッピングモール内のATMに向かってお金を引き出していた。それは葵先生のお金なわけだが、カードで決済ができないことに気づいたのだろう。高校生がカードで決済するのはあまりにも不自然な上、名義も異なるからだ。ATMから引き出す分にはそれよりは問題が無いので、どうやら機転を利かせたのだ。
「ありがとうございます。またご来店をお待ちしています」
さっきの店員さんの挨拶で僕らは店から出てショッピングモールの中をまたブラブラし始めていた。麻美が持っている紙袋の中には洋服がきれいに折り畳まれていた。
「そんなの買っちゃって大丈夫なんですか?」
「いいのよ。せっかくなんだからこの体に似合う洋服の一つくらい揃えて置かないとね。これは葵先生からプレゼントとして私がしっかり受け取ったわ」
自分のポケットマネーを使ってまでしてこの洋服を買う必要があったのかはよく分からなかった。だが、この後も麻美の靴やアクセサリーなどを買ったのでいつの間にか紙袋がいっぱいになってしまったのだ。いっぱいの紙袋を手に抱えながらショッピングモールを後にしていた。
(つづく)
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